コメ高騰が続く中、小泉進次郎・農林水産大臣(44)の「500%」発言が議論を呼んでいる。6月5日の衆院農水委員会で、こう述べたものだ。

「社名は言いませんけども、コメの卸売の大手、売上高は対前年比120%を超え、営業利益は500%ぐらいです」

「ほかの大手卸も、営業利益は250%超えてますね」

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 そして、「やはりこういったことも含めて、よく! お考えいただきたいと思っています」と強調。流通過程の透明化に意欲を示した。

「コメ担当大臣」となった小泉進次郎氏 ©時事通信社

“小泉劇場”を彷彿とさせる語り口

 政治部記者は話す。

「確かに複雑すぎる流通過程に目を向ける議論は有用かもしれない。ただ、いきなり卸業者を“抵抗勢力”に仕立てる語り口は、『郵政民営化』を謳った父・小泉純一郎元首相(83)の“小泉劇場”を彷彿とさせました」

父の小泉純一郎元首相 ©文藝春秋

 小泉氏の発言を受け、SNS等では「卸業者が暴利を貪っている」との投稿も相次いでいる。3週間前に就任してすぐさま、備蓄米を店頭にスピード配置した小泉氏だが、今回の発言はどのような意図に基づいたものだろうか。

週刊文春」が事務所を通じて小泉氏に質問状を送ると、600字ほどの回答が寄せられた。

「安く流通させることを課すつもりはありません」

――「500%」発言の真意は?

「卸業者の利益構造について言及したのは、昨年と比べ2倍という米価の高騰を踏まえても、昨年比5倍という大きな営業利益を上げているのはなぜなのかという疑問を感じたからです。今後の米価高騰の要因検証の中でしっかりと分析をしていきたいと考えています」

――発言を受け、卸業者の利益は「不当」という声があります。

スーパーのコメ売り場を視察 ©時事通信社

「国民の皆様が、お米の流通の中で、それぞれの段階でどのくらいマージンを取っているのか、といったことについて、いろいろと関心を持たれている中で、例示としてお示ししたものです。民間企業が適正な利益を上げることは必要であり、利益を上げずに安く流通させることを課すつもりはありません」