アイドル界ではグループ所属の前歴を“前世”と呼び、他のグループで再び活動するのを“転生”と呼ぶ。ライブ配信界でトップライバーとして活動する斉藤優里さん(31)も“前世”があり“転生”したアイドルだ。

 18~25歳には超メジャーグループ・乃木坂46の1期生として活躍し、30歳で再びアイドルのステージへと戻った。みずから「またアイドルやってるんです!」と明かした、その原点をたどる。(全3回の1回目/2回目に続く)

斉藤優里さん ©深野未季/文藝春秋

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「またアイドルやってるんです!」Instagramの投稿が話題に

――乃木坂46の活動を終了したのは2019年6月。そこから約5年8ヶ月、2025年3月にInstagramで「またアイドルやってるんです!」と明かして、注目されました。  

斉藤優里(以下、斉藤) 今、何をやっているのか知らない方もいたようで「もう一度、アイドルやってるんだ」という声がたくさん届きました。乃木坂46にいた当時の私を知っていても、推してはいなかった人たちも反応してくれたんだと思います。

――現在は、ライバーとしてライバーマネジメント事務所「321」に所属。事務所発のアイドルグループ「PALE TULLE」の1期生としてステージに立っています。

斉藤 自分が「またアイドル」になるとは、思っていなかったです(笑)。321でアイドルグループを作るので「ゆったん(斉藤の愛称)も入ってほしい」と言われても、すぐには決断できなかったんです。でも、昔から「アイドルが好きだった」という感覚を思い出して、チャンスがあるならもう一度やってみたいと気持ちを固めました。 

母から「アイドルが好きなら、人生経験として受けてみたら?」と言われて…

――高校時代には同級生とAKB48への握手会へ通っていたほど、根っからのアイドル好きだったそうですね。

斉藤 はい。幼稚園で「アイドル歌手になりたい」と夢を書いていたし、小学校ではモーニング娘。さんが流行っていたので、テレビを見ながら歌ったり踊ったりもしていました。

 AKB48さんの握手会に通ったのは、高校2年生でしたね。仲のいい同級生から「今度一緒に行かない?」と誘われたのをきっかけに、CDを買って全国握手会や個別握手会に参加していました。

 

――乃木坂46のオーディションがスタートしたのは、2011年6月でした。当時、斉藤さんは高校3年生です。  

斉藤 お母さんがオーディションを見つけてくれたんです。「アイドルが好きなら、人生経験として受けてみたら?」と言われて、私も「一度ならアリかな?」と思ったので、勢いで応募しました。