兵庫県の告発者潰しの「正体」が証言でも…

《その場に同席していた前理事、報告を受けた片山安孝・前副知事の話が、前総務部長の話とほぼ一致することから、「これらの供述の信用性を否定することはできない」と評価した》(朝日新聞、5月28日)

 産経新聞は『元側近3人 証言一致 斎藤氏のみ否定』(5月28日)と報じた。インパクトがありすぎる見出しだ。否定するのは知事当人のみという状況なのである。県は漏洩した井ノ本氏を「刑事告発はしない方針」という。この“やさしさ”、そりゃそうだろうなぁ。

 いよいよ兵庫県の告発者潰しの「正体」が証言でも見えてきた。毎日新聞社説は斎藤知事に問う。

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斎藤知事 ©時事通信社

『兵庫知事が「漏えい指示」 もう言い逃れは許されぬ』

《私的情報の漏えいが元県民局長を死に追い込んだ可能性もある。知事の疑惑を追及していた元県議も中傷を受けて死亡している。もう言い逃れは許されない。知事は自らけじめをつけるべきだ。》(5月28日)

 知事にハッキリとけじめを求めた。この件では人が何人も亡くなっているのである。

 当の斎藤知事は「県政を前に進めることが私の責任の果たし方だ」と相変わらず。何か問題があって問われているのに「前に進めていきたい」というのは目線を先にずらしたい人がよくやる手口だ。「否定するのなら、説得力のある説明をする必要がある」(毎日社説)のだが当然だができない。話をずらしている人の言葉をリアルタイムで見せられるのはいつまで続くのだろう。

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