日経平均3万円を切る展開も
大槻 昨年を振り返っても、GDP成長率や通貨供給量などに照らすとアメリカ株はやや割高だったと言えます。そこに来てこのような景気後退の可能性の高いイベントの影響がどう出るか。
緋田 その時、日本はどうなると考えますか。
大槻 アメリカ株が下がった日に前日比で円高になっているケースでは、7割の確率で、アメリカ株よりも日本株のほうが下落率が高い。つまり、日本の市場に対するアメリカの市況の影響は、より大きいものになる可能性があります。直近でも結構落ちていましたが、ショックが来るときには、日経平均株価で言えば、3万円を切るような局面があるかもしれないと思っています。
緋田 日本でもせっかく温まった投資熱が冷えてしまいますね。岸田政権が立ち上げた新NISAは評判もよく、多くの方が利用しています。しかしこの関税ショック以降、株価の乱高下を日々気にしている個人投資家は多いようです。
大槻 そういう方には「長い目で見ましょう」とお伝えしたいですね。個人投資家は時間を味方につけられるので、「タイミングよりタイム」だといつも言っているんです。その日の株価に一喜一憂せず、時間をかけて粛々と積み立てていけば、仮に価格が落ちたときにはたくさん買うことができる。お店に行ってモノが安くなっていたら、それは昨日買えなかったものが買えるということ。まさにオポチュニティなんです。
※本記事の全文(約13000字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と、「文藝春秋」2025年6月号に掲載されています(緋田順×大槻奈那×木内登英×戸矢博明「座談会 トランプ危機をチャンスに変えろ」)。全文では下記の内容をお読みいただけます。
・ベッセントが求める具体的な“果実”
・米国債下落“アメリカ離れ”進むか
・対中強硬ナバロはいつまで仕切れるか
・自動車、農産物……非関税障壁を見直すべきか

■特集「緊急特集 黒船トランプ迎撃作戦」
・小林慶一郎「日本は米国に何を提案すべきか」
・松本大「私が見ているビットコインの未来」
・マット・ポッティンジャー「台湾は本当に危うい」
・山下裕貴「自衛隊『南西シフト』現地報告」
【文藝春秋 目次】緊急特集 黒船トランプ迎撃作戦 トランプ危機をチャンスに変えろ/スペシャル企画 東京はすごいぞ/梯久美子 やなせ先生と「あんぱん」と私
2025年6月号
2025年5月10日 発売
1300円(税込)